シリーズ記事
- SE向いてないからとすぐ退職した私が復帰してフリーランスSEで飯食っていけるようになるまで1
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- SE向いてないからとすぐ退職した私が復帰してフリーランスSEで飯食っていけるようになるまで(終)←今回
本当に本当に長かった暗黒期脱出
ようやく自分の強みを身に付けた社会人6〜7年目
モダンな技術の案件で開発者のエースに返り咲き
客先出向は2年の予定だったが、お客さんの予算の都合で約1年で終了した。
そして、自社の案件に戻してもらう。
今回の案件は、Ionic + Angularを使ったスマホアプリ。
初めてのJSのフレームワークで初めてのスマホアプリ開発。
しかも初めてのアジャイル開発で今までSVNしか触ったことがなかったが、Git等の割とモダンな技術を使った案件だった。
やったことがない技術ばかりなので不安はあったが、今までの経験をフル活用。
ググりながら自分なりに正しいと根拠を持ってコードを書いていく。
作る前から単体テストの観点、作ったものはしっかり動作確認して高品質の成果物をキープ。
そして気づいた。自分はJavascriptがめちゃめちゃ得意だ。
Angularは会社としても誰もやったことがないフレームワークで、
この案件に入って1ヶ月程で、うちの会社でAngularに一番詳しいのは私というレッテルを貼られるようになっていた。
今回のチームリーダーやPMの上司も優秀な人で、とても働きやすい環境で作業をさせてもらえるようになった。
トレードのサンクコストを棄てる
案件に入り数ヶ月はまだトレードで飯食っていきたいという夢があったが、
この案件でエンジニアの仕事に自信を持ち、楽しくなり過ぎてしまった。
大金はたいて勉強に多大な時間をかけてきたトレードだったが、
一向に成果が出ずこのまま金も時間もどんどん無駄に潰していくと感じたのでキッパリやめることに。
トレードの学習時間を全てシステム開発の学習にシフトする。
別案件でもエース。自分がチームを引っ張っていく
Ionicの案件をやっていた時にも別案件でAngular(バックエンドはSpring Boot)をやっており、ちょくちょくヘルプに駆り出されていた。
Ionicの案件が落ち着いてきた頃、こちらの案件へ完全移籍した。
最初はリーダー一人でやっていた案件だったが、新人も参画していて自分も入り、3人メインでやっていくことになった。(最終的には10人以上の規模になった)
リーダーもAngular未経験で、顧客折衝の仕事もある。
新人の他、後々途中参画してきたメンバーは若手メイン。当然自分が開発リーダーとなる。
なので自分が勉強してチームを引っ張っていくしかない。
目の前の自分たちが書いているコードが汚すぎる。
これをどうにかしたい一心で勉強しまくる。
- 保守性の高い綺麗なコードを書くには
- Angularのクリーンなアーキテクチャとは
- テスト自動化を取り入れるには
- しばらく触ってなかったJavaの新バージョンの書き方は
- この複雑なSQLをチューニングするには
海外の技術記事を読み漁ったり、海外カンファレンスの動画を視聴したりUdemyで学習したりして、チームに共有し少しずつに実務に取り入れていった。
単に独学していた時にはほとんど身につかなかったが、
実務でこのコードなんとかしなきゃ!この問題の解決策はないか!この知識みんなに教えなきゃ!
という視点で調べていくとすぐに頭に入るのがわかった。
そうして学んだものを実務に取り入れ、自分のレベルをどんどん上げていった。
実践に勝るものなし。
フリーランスへの道
うわっ…私の年収、低すぎ…?
仕事が楽しくて仕方なかったが、唯一の不満があった。
30歳過ぎてもいまだに新卒レベルの給料。
贅沢、娯楽なんてほとんどしてないのに家賃に蝕まれ貯金はたまらず。
愚かにも成果の出ない情報商材やらプログラミングスクールやらコンサルやらに手を出しまくって貯金いっぱい溶かしちゃったし。
老後2000万なんてとうてい無理。
将来が不安で仕方ない。生きるのが辛い。
友人をWeb業界へ引き込んだ過去
私が職業訓練校に通っていた頃、Web系のSEを目指していたのでWeb系のデザイナーの知人が欲しかった。
そこで当時やりたい事もなく、倉庫で契約社員として働いていた幼馴染の友人に、Webデザイナーにならないかと声をかけた。
もちろん彼もWebデザインなんて勉強したことなんてなかったので、俺なんかにできないよと後ろ向きだったが、勉強すればどうにでもなるぞ!お互いフリーランスになって自由に働いて金稼ごうぜ!
と半ば強引に引き込むことに成功。
そして彼はWebデザインのスクールに半年通い、ポートフォリオを作成して小規模の広告企業のWeb制作部に正社員として採用されることになった。
その広告の会社では、フォトショ・イラレを使ったデザインと、ちょっとしたHTML・CSS・JSのコーディングしていたようだ。
3年程働いた後、デザインよりもバックエンドの技術やJSの技術に興味を持ち、技術力を高める為にWeb制作専門の会社に転職した。
友人がフリーランスに!?
残念ながら彼が転職した先の会社は給料が低すぎ、ボーナスも一切出ない為に鬱になり1年で退職することに。
しかしその会社から出向していた先の企業ではフリーランスエンジニアの先輩がたくさんいたらしく、親睦を深め詳しく話を聞いていた。
退職する際に出向先の企業から引き止めにあい、フリーランスでうちで続けないかと打診され、彼はフリーランスへ転身した。
そして、仕事内容は同じなのに契約形態が変わっただけで年収が倍増したという。
私をフリーランスとして雇ってください
開発経験がほとんどない彼がフリーランスになった。
IT業界で約7年働いて、今は案件のエースにまで成長した自分になれないはずがないと勇気をもらった。
もう自分は独り立ちできる。1人で未経験の言語の案件に客先出向してもやっていける自信があった。
友人からもお前なら単価70・80万は余裕だろとも言われた。
今の会社の働き方、仕事内容、人間関係に不満はないので、上司に私をフリーランスで雇ってもらえないかと相談した。
上司は私が案件から抜けられると困るので、さらに上長や総務の人に相談してくれた。
しかしうちの会社は今までフリーランスを雇ったことがなく、制度の整備に何ヶ月もかかってしまうということだったので、退職の意向を伝えた。
コロナ禍でのフリーランス転身
ちょうどその話になった時は2020年の3月。
今すぐ案件抜けるのは勘弁してということなので、自分を成長させてくれた恩返しに5月末まで在籍、6月は丸々有給をとることにした。
それまではIT業界は景気が良く、友人も先輩の話でフリーランスで採用に落ちたなんて話は聞いたことがないと言っていた。
エージェントからも特に商談の対策なんて不要と言われていた。
しかし4月からは初の緊急事態宣言。
当時エージェントから提示されていた大量の求人がどんどん取り下げられていく。
言語未経験でも可能という採用がほとんどなくなっていく。
必須スキルと書いてなかった案件に募集しても、急に必須スキルだと言われて選考に進めない。
やっぱり大手エージェントを利用
4月5月と案件を探したが、当時利用していたエージェントが大手ではなく小規模ということもあり案件の紹介が少なく、なかなか選考に進めなかった。
面接まで進めたのは2社程度で、ここも言語未経験ということで落ちてしまった。
6月になり、あと1ヶ月でニート目前になったので、大手エージェントを3社追加で登録する。
しかし大手でも当時のコロナ禍では案件が少なく、紹介はあっても全く選考に進められなかった。
その中でも1社だけ、いきなり2案件の紹介が入り、即面接の運びになった。
片方はReactとGoの案件で落ちてしまったが、
もう片方はIonic、AngularとNestJSでスキルマッチし、遂に内定をもらうことができた。
憧れのフリーランス生活
精神的・経済的自由と自尊心
月収が3倍近く上がるので、山手線沿いでもう少し静かなところに引っ越しした。
毎週外食に行ってもお財布が痛くない。
完全在宅勤務ができる。
友人も山手線沿いに引っ越し、休日に一緒にチャリで都内探索。
「俺ら、昔フリーランスになろうぜって話したよなー。お互い低収入だったし仕事で苦労してきたけど、今や山手線沿いに住んで都内サイクリングしてうまいもん食ってなんでも満たされたな。」
なんてアメリカンドリーム
周りはバケモンだらけだけど
入った現場のチームメンバーは、バケモノだらけだった。
- 超高学歴のチームリーダー
- 20代で社長やっていてITの事なら何でも知ってるコンサルSE
- インフラのエキスパートでフロントエンド・バックエンドのコードまで書ける外国人
- AngularやIonic日本ユーザー会で代表している人たちと仕事してきたデザインもできる業務委託
周りの人に比べれば自分にはずば抜けた特技はないけれど、
上流工程もやっていた経験から仕様面や設計面での考慮漏れも指摘・改善案の提案もするし、
フロントエンド・バックエンド・SQLまで総合して高い品質を保ち、チームで一番の生産性を上げ続けて評価をもらえている。
自分の強みを生かしてなんとか居場所を掴む。
これから
自分が最も得意なAngularは人気低下中。
今はReact.js・Next.jsができないと飯食っていくのに困る状況へ差し掛かっている。(JSフレームワークの求人がほとんどReactしかない)
もちろん独学はしているが、やはり実務未経験というのは採用で大きな痛手になるので、
早めにポートフォリオ作成、案件を並行してバイトなどでも始めないといけない。
今理想の働き方を手に入れたとはいえ、将来は不安なことだらけ。
成長し続けなければすぐに居場所を失う可能性もある。
周りがバケモノだらけの中、自分が彼らのレベルに達するには何年かかるんだと無力さを痛感し、鬱になることも多々ある。
技術向上も、人脈形成も、情報発信も、やることが山積みだ。
成果を焦らず、一歩一歩できることからやっていくしかない。
この記事が少しでも誰かに元気を与えられれば嬉しいです。
次回以降は自分の経験から学んだこと、
人生の中で転機になった点を掘り下げて書きたいと思います。
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